JRBC ルワンダツアーレポート5〜6日目

JRBC ルワンダツアーレポート5〜6日目

JRBCルワンダツアーレポート 5日目
今回のツアーの実質的な最終日です。

この日の予定は、午前中にいくつかの企業を訪問し、午後からは教育の現場を視察という流れになっています。
まず午前中は、
1. WiredIn LTD社
2. DMM.HeHe (旧HeHe lab)
3. PivotAccess
の3社を訪問させていただきました。

まず1社目の、WiredIn LTD社。
このブログ記事を掲載しているこのサイトがすでにそうですが、弊社ルワンダオフィスに参加者の皆様をご案内しました。
WiredIn社は、日本からのオフショアソフトウェア開発を中心に、その他ヨーロッパの先進国、ルワンダ現地などのクライアント向けにソフトウェア開発サービスを展開しています。
WiredIn社のオフィスは、空港方面から町の中心地に向かうメインストリート、町の中心まであと数分という距離のところにある、白いビルです。
周りに遮蔽物がなく、また周辺に真っ白なビルがないため、結構遠くからでも見つけることができるビルです。
ワイヤードイン、ルワンダオフィス周辺

このビルの1階、ビルに入ってすぐ右手の部屋が、WiredIn社のオフィスです。
今回使いませんでしたが、入ってすぐ左手の部屋が旧オフィススペースで、たまに会議等で使わせてもらうことがあります。
今回主催させていただいていることもあり、参加者の方々はすでにこの会社のことは知っていただいている状態で、
訪問して特に何か新しい発見があるということはなかったとは思いますが、一方で、今回の参加者様には、このWiredIn社にご発注頂いてる会社さんもいらっしゃり、今回初めて自社のソフト開発を実際に担当しているエンジニアと会うことができたりしていました。
エンジニア側からしても、普段は日本側のスタッフとのやり取りが中心で、最終的なクライアントと直接やり取りすることはまれで、彼らからしても初めて日本のクライアントに直接会うことができたということで、非常に印象的だったようです。
私などは普段両方に接しているため、少し忘れがちではありますが、やはりお互い顔が見えるというのもまた大事なことで、今回のツアーによりそういった機会が双方にもたらされたことをうれしく思った瞬間でもありました。
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これまでの通常の出張では、割とオフィスにいたりして、現地の開発者たちと一緒に作業をしたりということもできるのですが、今回は特に時間がなく、到着から5日目にしてようやく私もメンバーと会うことができました。といっても、すぐでないといけなかったため、ほとんどメンバーと話をすることもなく、次に行くことになってしまいました。
自身の話ではありますが、今後はもう少しスケジュールをかんがえないとなぁ、、と思った瞬間でした。

ちなみに、毎回現地に行くときはメンバーにお土産を持っていくのですが、今回は少々変なものを持っていきました。
それは、カップ焼きそばの 一平ちゃん の12個入り1ケースです(笑)
というのも、今年3月末まで日本で学び、日本のオフィスでインターンをしていたメンバーが、
よくお昼ごはんにしていたのが、そのカップ焼きそばで、おそらくそろそろ食べたくなったのではないかと推測し、持っていくことにしました。

羽田空港でのチェックイン時、スーツケースとともに一平ちゃんの箱も預けたのですが、
「これはなんですか?」
と聞かれたとき、
「食品・・・いや、一平ちゃんです!カップ焼きそばの!」
と堂々と宣言したところ、半笑いになっているのを私は見逃しませんでした。
まぁ、これからアフリカに旅立とうという人間が、一平ちゃんの箱もってたら、謎すぎますよね。

と紆余曲折を経て(?)、無事メンバーの手に渡った一平ちゃん。
作り方をしってる日本経験者は、なつかしの(時間はそんなにたってませんが)味を楽しめたことと思いますし、その他のメンバーは未体験の日本のB級グルメの味を堪能してくれたものと思いましたが、とあるメンバーはお湯を捨てずに食べてしまったようであることが、翌日わかりました。ちゃんと教えてあげてよチャールズ君とイブ君よ。。
相当まずいもの食わされたと、、彼は思ったことでしょう。そんな食べ方したことないので、味はわかりませんが。

そんなこんなで、WiredIn社を後にして、次に向かった先は、DMM.HeHeさんです。
元々は、HeHe Labという会社で、代表のクラリスさんは、アフリカの女性起業家トップ10に名を連ねるなど、現地では有名な会社さんです。
事業としてはソフト開発会社ですが、一方で特徴的なのは、高校を卒業した若い学生をインターンシップという形で集め、ITを使ったサービス開発の手法などを教え、起業などを支援するような事業を行なっています。代表であるクラリスさんは、2012年に神戸情報大学院大学が現地で開いた短期講座の卒業生でもあり、その中で得た知識・ノウハウを若い学生にも教えており、日本との繋がりもある方です。
一方、DMM.com社はご存知有名企業ですが、昨年アフリカへの投資を進めるということを発表し、DMM.africaを立ち上げておられます。
今年に入ってから、DMMさんがルワンダに進出するといった噂もあったりしましたが、その後今年4月にHeHe Lab社を買収、DMM.HeHeへという発表があり、ルワンダのITに絡む人たちの間では騒然と(!?)なったトピックでした。
プレスリリースはともかくとして、実際のところ、なぜHeHe社を?これから何を進めて行く予定なのか、非常に興味深くその辺りも可能な範囲で伺っていければと思い、今回私個人としては一番楽しみにしていた訪問になります。

DMM.HeHe社が入居するのは、最近完成した、キガリハイツというオフィスとスーパーや飲食店などの商業施設との複合ビルです。デザインも良くて場所もこれまた最近完成したコンベンションホールの向かいで、ギカリの最先端な場所の一つと言っていい場所かと思います。
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オフィスの方には、セキュリティゲートを通ってエレベータで上がっていきますが、セキュリティゲートはとりあえず動いているといった感じで、本来の意味はまだなしてないように思えるのはご愛嬌ということで、オフィスに向かいます。
1フロアのとても広いスペースに、DMM.HeHeさんのオフィスはあります。中に入るとガラス張りで見晴らしのいいオフィスです。
まだまだ出来たばかりのオフィスということで、人員も物もこれからとのことですが、この広いスペースがエンジニアで埋まった時には結構すごいことになっているのではないでしょうか。
ミーティングではいろいろと情報交換や今後の計画などのお話も伺いましたが、基本的には内容の具体的なところは、DMM.HeHeさんの今後のニュースリリースに期待、といったところでしょうか。
しかし、DMM.africaがルワンダに進出して来たことで、空気感が少し変わったような印象があります。一つ山を超えたというか、これからどんどんと注目度が上がりそうな、そんな雰囲気も感じます。その流れにルワンダ側のIT業界もついていけるのか、日本から一方的に、、ばかりではなく、現地の本当のところの能力、頑張り、熱意というものが試される段階に来たのかもしれません。
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次に訪れたのは、キガリハイツから歩いて5分程度の場所にある(といっても車で移動しましたが・・)PivotAccess社。
PivotAccess社は、ルワンダ国内において、モバイルマネーなどを扱う、今でいうとフィンテック系にカテゴライズされる民間企業です。
この会社は、人数的には30人ほどのエンジニアを抱えて、主に銀行やキャリアをクライアントとして事業を行なっており、ルワンダのIT民間企業としては、かなり大きい方になるかと思います。逆に30人ほどのエンジニアを雇用している状態で大きいとされるので、これが現状の現地の状態ではあります。
弊社もルワンダ国内のソフトウェア開発案件は、あれば積極的に受けるつもりでもありますが、数社クライアントはいるものの、なかなか新規というのも難しい状況にあります。
ここでは、代表のモーリス氏とミーティングをもち、どういった事業をしているか、どういった課題感を持っているかなどの話が中心でしたが、DMMさんのルワンダ進出にあたっての裏舞台に関連することが、意外やここで繋がり、個人的に疑問に思っていたことなどの解が得られましたが、これはおそらく公開していい内容では無いと思われますので、ここでの具体的な記載は控えたいと思います。すみません。

PivotAccess社が終わりましたら、次は昨日お誘いいただいた、大使公邸でのランチに向かいました。
大使公邸では、和食を頂きましたが、専属シェフによる和食のランチは大変美味しく、ルワンダでもこのレベルの和食が食べれるんだと、驚きました。
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昼食の後は、教育の現場ということで、また同じく日本の支援が入っている専門学校のTumba Technlogy College(以下TCT) に訪問しました。
日本語では、トゥンバ高等技術専門学校とされ、主に科学技術分野の人材育成に取り組んでいる協力機関です。
TCTは、キガリ市内にキャンパスが一箇所、キガリから北へ1時間ちょっといったところの山の上に、本校があり、今回はその両方を訪問しました。
それぞれのキャンパスでは、各現場のマネージャの方々に、キャンパスの案内をして頂き、その後人材育成等に関する意見交換等をさせて頂きました。
ここでもやはり、学校卒業後の進路が一つの大きな課題としてあげられました。
IT分野でもそうなのですが、ルワンダの国として、IT立国を掲げ、人材育成やインフラの整備に力を入れて来ていますが、一方でそういったスキームからITを学んだ人材が、続々と卒業しはじめているものの、以前就職率は低く、せっかく学んだ技術を活かしたり、より経験を積みスキルを高めていける機会が限られている状況があります。

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JRBCの取り組みもそうですが、そういった人材が活躍できるようになるためには、やはり相応の需要が必要であり、そのためにはより経済が伸びて行く必要があります。
若干鶏が先か卵が先かの問題構造になりやすく、簡単な話ではないですが、ルワンダが引き続き経済を伸ばし、そういった人材需要がのび、そのような環境の中でスキルを高めて行くといった好循環が出来て行くことを期待したいと思いますし、そのポテンシャルはあると思えます。

このTCTの訪問をもって、今回のツアーのスケジュールされた日程はすべて終了となり、この日はキガリの中心からは少し離れた、Pili Piliというお店で夕食をとりました。
プールがあって、雰囲気や景色も良い場所で、一通りのスケジュールを終えた達成感と程よい疲れの中で飲むビールと食事は最高でした。

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この翌日は帰国日になりますが、飛行機は午後の3時ということで、午前中は余裕があります。
一部の参加者は個別にアポをとって、興味のあるところに訪問されたり、私の場合は、WiredInのオフィスに行って、メンバーとミーティングをしたり、お土産をかったりと自由行動となり、昼過ぎには空港に向かいました。
ルワンダの場合、カタール航空を使った場合ですが、到着は午後2時半、出発は午後3時半というスケジュールのため、行きも帰りも余裕があるのがいいですね。
たとえば、朝についてしまうと、その日も活動日とせざるを得ないですし、出発が夜遅くてもまたその日にスケジュールが入るでしょうから、このスケジュールですとそうはならないので、助かります。

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到着した時はスケジュールがいろいろとあり大変だなと思えるのですが、いざ過ぎてしまうとあっというまで、もう少し長くいるスケジュールでもよかったかなと毎回のように思ってしまいますが、いずれにしてもこれで今回は終了、帰国となりました。
ツアー中、大きなトラブルもなく、無事に全日程を終え帰国することができてよかったと思います。
今回のルワンダツアーでは、現地でこのようなツアーのロジなどをやっていただける、e-gates社さんに大変お世話になりました。
今回のように、ツアー中問題なく、またいろんな日程をスムーズにこなすことができたのは、代表の笠井さんとインターンで来られていた古川さんのお二方のご尽力によるもので、本当に助かりました。一人でやっていたらとても無理な話でした。

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JRBCルワンダツアーの第2回目は今年10月を予定しています。
今回は初回ということで、手弁当でやってきましたが、次回からはe-gates社さんと共同でツアーパッケージ化して、実施しようと相談させていたいています。
また具体的になってきましたら、BlogやWebサイト、SNSで告知して行きたいと思いますので、今回の記事等を見てご興味を持っていただけて、また行ってみたいと思った方は是非ご検討頂ければと思います。

またJRBCにおいて、今回のツアーの報告を含む、第3回ミーティングも7月の中旬から後半にかけて行う予定ですので、ツアーや今回の内容等、直接お話しできればと思いますので、こちらもまた案内しますので、是非ご参加下さい。

全記事書くのに、結局1ヶ月弱の時間を要してしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
参加者、関係者の皆様、お疲れ様でした!

この記事の著者

田中 秀和

WiredIn Japan 代表取締役 CEO

大学生時代から開発系インターン経験し、ソフトバンクグループの開発会社に新卒入社。約6年、大規模システム開発やプロジェクトリーダーとして活躍した後、米国の技術開発スタートアップに参画し日本国内のCTOとして経験を積む。その後、レックスバート・コミュニケーションズ社を起業。 2011年頃より、とあるきっかけからルワンダでのオフショア開発に着手。2014年に、現地のパートナーとともに「WiredIn LTD」を立ち上げる。 2015年9月にWiredIn LTDの日本ブランチとなる「WiredIn Japan 株式会社」を設立し、代表に就任。